食品工場の環境を良好に保つだけでなく、顧客満足度を向上させる売上の増加にもつながる優れた衛生管理手法がHACCPです。HACCPによる衛生管理を行っていることを製品に表記すれば、消費者は安心して購入できます。この手法はハサップやハセップと呼ばれており、宇宙食の安全性を高めるためにアメリカで開発されました。効果的な衛生管理が可能になるので、宇宙開発業界だけでなく世界中の食品業界でも高く評価されています。
この手法を導入するとあらゆる危害要因の分析に基づいて徹底的な衛生管理が行われます。食品工場における衛生管理は一部ではなく全ての工程と製品を対象として行う必要があります。一部の工程と製品だけを対象として衛生管理を行っても、不良品を見逃してしまう可能性が存在します。製品に混入して健康被害をもたらす危害要因には、細菌やウイルスの他にも化学物質や異物などがあります。
細菌やウイルスによる食中毒だけでなく、虫やゴミなど様々な異物の混入も防がなければなりません。軽度の食中毒は安静にしていれば治りますが企業の評判を大きく低下させます。衛生管理が不十分で危険というイメージが広まると、消費者から選んでもらえなくなってしまいます。顧客満足度を高めて売上を増やすにはHACCPを積極的に導入して徹底的な衛生管理を行うことが大切です。
この手法は全ての工程を細分化してリスク管理を行うだけでなく、健康被害の減少につながる工程が重要管理点とされます。重要管理点では厳格な基準に基づいて連続的かつ継続的な監視と記録を行うので、危害要因によるトラブルを減らすことができます。