温度管理は対象に合わせて管理方針を決めるのが基本で、許容される温度変化についても基準を設けるのが望ましいといえます。温度管理に厳格さを求めるのであれば、温度変化量も最小限に抑える必要がありますし、基準を超えた変化が発生したらすぐに気がつける仕組みも不可欠となります。一方、一般家庭やオフィスの場合は、多少基準から外れても許容できる形で温度管理をすることが多いです。理由としてはそもそも厳格な管理が難しく、様々な要因の影響を受けて容易に温度が変化してしまうからです。
その為、目標とする温度を設定しても、目標に近づけたり維持できるかどうかは努力義務ということになります。温度管理の原則は、空間を設けて外部と隔絶すること、外部からの影響を最小限に抑えることです。外気の変動に応じて室温も変化してしまうようだと、空調だけで温度を一定の範囲に収めるのは困難です。つまり、断熱材がしっかり入れられている壁に囲まれている空間が必要で、空調がなくても無理なく維持できる環境が理想的というわけです。
断熱と気密性が高いレベルで両立していれば、空調で目標の目指したり維持するのは難しくないはずです。勿論、極力窓は設けないこと、ドアを設置する場合は気圧を保つようにして開閉を最小限にするといった工夫を要します。しかし、基本原則が守られている環境があれば、温度管理の難易度はかなり下がりますし、成功する可能性は格段に上がります。